「口から食べる援助」について

続けて上嶌がアップします。

自分たち介護の仕事の中で、大事な仕事として
「食事介助」
があります。
2年前のブログでもアップしていますが、単純に言えば
「ごはんを食べていただく」
ということになるのですが、さまざまな疾患を抱えた高齢者に
人生の最期まで「おいしく食事を食べていただく」というのは
本当に高度な技術の仕事だと、あらためて痛感しています。

写真のご入居者も今年に看取りをさせていただいた方です。
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亡くなられる半年前の写真です。
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アルツハイマーやパーキンソンといった病気は、だんだんと
嚥下機能が低下していきます。
本人に食べたい意欲や気力があっても、だんだんと飲み込み
ができなくなっていきます。
できたら最期まで普通の食事を召し上がっていただきたい
ところではありますが・・・

食事形態を考えたり、形があるほうが咀嚼からの嚥下へと
つながりやすかとか、嚥下機能が低下してきた段階では、
水分はトロミがよいかゼリーがよいか、その固さや粘度は?
ペースト食、ムース食、ゼリー食、さざなみ苑ではプリン状に
固まるゲル化剤を使用してペースト食を固めたりもしますが、
どの形状でも完全な嚥下はできません。
ムセはあります。一口一口の介助が大事です。

姿勢についても、個別性がありますので、教科書通りの
シーティングでは本人にとっては飲み込みがしにくい場合
もあり、本当にいろいろなことを毎日考えながら、試行錯誤
を繰り返します。

最前線で介助を行う介護職員はもちろんのこと、看護師、
栄養士、歯科衛生士、もちろんご家族と、たくさんのサポーター
の支えによって、人生の最期まで食事を続ける支援が行われ
ます。

介護の仕事というのは、本人の満足度が見えにくい仕事でも
あり、看取りの後「この支援で良かったのだろうか?」と悩む
こともしばしばありますが、今後もご入居者本人の意欲を尊重
した支援ができるように努力していきたいと思います。

2017/5/20 更新