「外出」の意味

特養&ユニットケアマネの上嶌です。
今日も暑かったですね。車の中は夏みたいでした。
さて、良い気候になって外出も増えていますが、ちょっと前の
先々月の外出を紹介したいと思います。
病院から入居されて、入居後も療養食のような食事を食べてお
られたご入居者です。うちの嚥下トレーナーも食事は問題ない
だろうというアセスメントでしたが、やはり入院歴があるので
不安があるということで療養食(柔らかい食事)を苑では食べ
ておられる方です。
その方が「刺身が食べたいな」ということで、久しぶりの刺身
ということで、どこが良いか職員も何軒か候補を挙げました。
その中には、この方が昔に厨房で働いておられた店の名前もあ
りました。
本人は「別にどこでもええ」と仰っていたのですが、結局その
店に行くことになりました。
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お店の方にTELをすると、その日は市場が休みなのでどのくらい
のことができるか分からないが予算を教えてください、とのこと
で、ランチですので低予算ですが、その中でここのお店の味を
堪能できるお弁当を作ってくださいました。
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本人、喜んで食べるかと思ったのですが、ちょびちょびと味を
見て、「私はな、厨房で働いていたから、(調理の)苦労が分
かる。それを思うとな、食べれへん」と。そして職員に「ここ
のだし巻き玉子は違うぞ」と自分の弁当の分もつまんで食べな
さいと、職員に勧めてきます。
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ここのな、茶碗蒸しも旨い。昔は自分が茶碗蒸しの具材を茶碗
の中に入れていたと、昔話をしながら食べておられました。
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お店の方もよく覚えておられ、それは懐かしい再開に感動し、
「本当にこの店は落ち着いて食事のできる店」と、大変満足を
されました。
本当はこの外出は実習生の介護計画のネタの一つとして出かけ
たのですが、実習生には「お前にはまだこの味は早いが、、、
しっかり味わうように」と話されていました(;´∀`)
実習生にはかわいそうなことをしましたが、人生勉強としては
いろいろなことを学べたのではないでしょうか。
そしてご入居者に対等に見てもらえるようになった自分は、そ
れだけ歳をとったのだなぁと実感しました(;´∀`)
個別の外出や苑行事での外出など、いろいろお出かけをしますが、
ご本人にとって意味のある外出になるように、これからも考えて
いきたいと思います。

2018/4/22 更新